沖縄長谷寺入仏開眼大法要
平成二十年三月五日 六大新報
一昨年秋に開山した沖縄県糸満市潮平一番地の沖縄山城間院長谷寺(岡田弘隆師)では去る一月三十日、鳥居豊山派管長、浅井総長はじめ全内局、林総本山長谷寺事務長など宗派重役や御詠歌講等、本土からの僧俗百四十名を含む約五百名が参列して盛大に御本尊十一面観世音菩薩入仏開眼大法要を厳修した。

岡田山主は東京都江戸川区の泉福寺住職を三十年以上務めており、また弁護士としても活躍しているが、沖縄での新寺建立の機縁は、平成十七年正月総本山長谷寺の御本尊十一面観音菩薩が夢枕に現われ「沖縄に行き長谷寺をつくり三十三観音霊場を開創するように」とのお告げを受けたことによる。

同年夏初めて沖縄を訪問、その後間もなく観音様に導かれるように当地とのご縁ができ、城間宝石の城間巌・ミツ夫妻より自邸(敷地約千三百坪、建物延べ約百八十坪)の提供を受けて夢告通り新寺建立が叶い、京都の松本明慶大仏師作の大観音菩薩像(台座から光背まで四・五メートル)も完成、今回の開眼法要に至った。

岡田山主は今回の法要の眼目として、まず第一に摩文仁の平和の礎で沖縄戦での内外の戦没者・戦災犠牲者の万霊慰霊法要を営み、世界平和を祈念すること。
第二に地元潮平地区をお練りし、鎮守氏神様等にお参りして地元との強固なご縁を築くこと。
そして第三に入仏開眼法要と式典等により観音信仰の広まる機縁が拡がり、今後の沖縄三十三観音霊場開設への端緒となること等を挙げていたが、その眼目通り、当日はまず午後一時より摩文仁の平和の礎で主に県外参加者による万霊慰霊法要を営み、次に僧俗約百四十名によるお練りがあり、地元の人々に感動を呼んだ。
そして午後四時より鳥居管長大導師、岡田山主副導師のもと入仏開眼大法要を厳修。
宗派内局及び本山事務長が式務委員(委員長・浅井総長)を務め、職衆三十四口を含む約七十名が出仕した。
法要最後には鳥居管長より地元信者への結縁のためのおさずけ法要もあり、豊山派の法灯が初めて沖縄の地へ伝えられた。式典に移り、まず鳥居管長の垂示、続いて浅井総長、沖縄県仏教会会長善国乗憲師、西平賀雄糸満市長の祝辞の後、松本明慶師へ鳥居管長から賞状が授与され、岡田山主の謝辞を以て終了した。

中庭大テントでの祝賀パーティーでは林長谷寺事務長他の祝辞に続き豊山派集議で随行長の川田聖戍師の発声で乾杯。ピアノ、フルート、ホルンのアンサンブル・レーベトリオの演奏、地元子供達のエイサー、民謡演奏等もあり祝宴に花を添えた。
更新日:06/02